洲本港ASを越えてしばらく走ると、立川の峠上りにチャレンジすることになる。コース最初の本格的アップダウンであるこの峠は、標高差だけをみると150mほどだが、とにかく急峻。平均勾配8％の急坂の連続に、たまらず自転車から降りて押すサイクリストが続出する。しかし、登り切れば緑の山々と海も望める風景に疲れも吹き飛ぶ。
上りと同じく峠を越えてからの下り勾配もきつく、かなりのスピードが出てしまうので、速度コントロールを怠らずに安全に注意して先に進もう。




下り切った先は海岸に沿って一直線に延びる「南淡路水仙ライン」。この島の南側の海は風が強いと波が荒くなることも多く、ときおり防波堤を越えてかなりの波しぶきが道路に降り注ぐことがある。交通量も少なめで気持ちよく走れるシーサイドラインだが、ずぶ濡れにならないように波のようすにも気を配って走ろう。

最大の難所“アワイチの本番”を走り切る

海岸線の道を走り切ると２番目のエイドステーション、灘ASに到着する。スタートから灘ASまでの距離は約59km。
こちらでは例年、「ちとり絲温（にゅう）そうめん」などの淡路島の名産品や白玉入りの「おしるこ」など、地元の方のおもてなしの逸品が用意されている。次に控える手強いステージに備え、この灘ASでのエネルギー補給は必須だ。

灘ASから次の慶野松原ASまでの約37kmの区間は、“アワイチの本番”ともいうべき最大の難所。灘地野、阿万塩屋町、大鳴門橋の上りは平均勾配8〜11％、最大勾配は15％に達する。この頃には気温もかなり上昇する可能性もあり、暑さと疲労との戦いになる。

しかし、うねりながら頂へと向かう道、高台から見える海峡をまたぐ巨大な建造物“大鳴門橋”、さらには眼下に広がる海岸線の風景は、この上りをつらくも楽しい体験にしてくれる。

左手に明石海峡大橋が見えてきたらゴールは間近

スタートから約96kmの慶野松原ASから「淡路島ロングライド150」は後半戦に入る。島の西側の海岸線を走る淡路サンセットラインはほぼフラット。ゴールの制限時間と“最後の上り”を計算に入れつつ、景色を楽しみマイペースで進もう。

最後のエイドステーションは多賀の浜AS（約115km地点）。ここでは例年、淡路名産の甘い玉ねぎで作ったスープや竹に巻いて香ばしく焼き上げた竹輪が好評だ。その他の補給食もたっぷりいただきパワーを補充したら、いよいよラスト・ランに突入！

引き続き島の西海岸を走るが、遠くの対岸には明石や神戸の町並みが見えてくる。さらに進むと、前方に明石海峡をひとまたぎする明石海峡大橋も姿をあらわす。海峡と都市の遠景と巨大な吊り橋の織りなす風景は、「淡路島ロングライド150」のクライマックスのふさわしい趣きを感じさせてくれる。

フィニッシュラインを通過するたびに会場内に響くオフィシャルDJの祝福コール！

しかし、「淡路島ロングライド150」はこのままでは終わらない。明石海峡大橋を左に見て神戸淡路鳴門自動車道の下をくぐると、“最後の上り”が待っている。 暗いうちから起きて一日中走り続け、体力はかなり消耗しているはずだが、最後の力を振り絞ってこの長い坂を上り切れば、ゴールはもう間近だ。

早朝スタートした国営明石海峡公園の特設会場に戻れば、淡路島ロングライド150のフィニッシュを迎える。
「○○さん、完走おめでとう！」、ゴールラインを通過すると同時に、完走を称えてオフィシャルDJがコールするサイクリストの名前がスピーカーを通じて会場内に響き渡る。

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